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税務・会計平成25年度税制改正のお知らせ

2013.08.02 印刷

平成25年度税制改正のお知らせ

 

平成25年3月29日に、平成25年度税制改正の内容を定めた「所得税法等の一部を改正する法律案」が成立し、3月30日に公布されました。

 

今回の税制改正の目的は2つあります。1つは日本経済の活性化と富の配分、もう1つは社会保障の充実のための資金確保です。

税目別に見るとは、法人税関係では、下降傾向の日本経済の復活を目指し、企業の設備投資の促進や新規事業による雇用促進を図る内容の法律が創設又は見直され、所得税関係では、法人の雇用促進による個人所得の増額、個人の資産運用また住宅取得や耐震工事による経済活動の活性化を図る内容の法律が創設又は見直されています。

また相続税・贈与税関係では、高齢者から下の世代への資産移動による経済活動の活発化と社会保障の資金財源確保のために法律が創設又は見直されています。

以下、この法律の具体的内容を所得税、法人税、相続税・贈与税の各科目ごとにお知らせします。

 

法人税

 

◇◆青色申告書を提出する法人◆◇

〔項目及び内容〕

(1)生産等設備投資促進税制の創設

製造業等の国内の設備投資を活性化するため、優遇税制が創設されます。

国内設備投資を増加させた法人が新たに国内で取得等した機械・装置について、30%の特別償却又は3%の税額控除を認めるというものです。

(2)所得拡大促進税制

個人の所得の拡大を図るため、優遇税制が創設されます。

従業員への給与などの支給額を増加させた場合について、支給増加額の10%(中小企業等は20%)の税額控除を認めるというものです((3)と選択適用)

(3)雇用促進税制

企業の雇用支援を強化し、高年齢者の雇用維持を図るため、税額控除額について、当期の法人税額の10%(中小企業は20%)を限度とし、現行の雇用増加数1人あたり20万円から40万円に引き上げられます。

(4)試験研究費の特別控除

税額控除限度額が法人税額の20%から30%に引き上げられます。

さらに、特別試験研究費の税額控除について、適用範囲が大学などの公的な研究機関だけでなく、民間会社との共同研究や、一定の中小企業者に対する委託についても含まれるなど範囲が拡大されます。

(5)環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)

即時償却制度について、対象資産に熱電併給型動力発生装置(コージェネレーション設備)が加えられ、適用期限が2年延長されます。また、省エネ設備等の30%の特別償却制度または7%の税額控除制度について適用期限が2年延長されます。

(6)中小企業技術基盤強化税制 

2年間の時限措置として、控除限度額が当期の法人税額の20%から30%に引き上げられます。

〔適用期間〕

(1)平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度

(2)平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度

(3)?(6)平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度

 

◇◆青色申告書を提出する資本金が3,000万円以下の中小法人◆◇

〔項目及び内容〕

中小企業等経営改善設備投資促進税制

消費税率引上げによる業績への影響を受けやすい、商業、サービス業、農林水産業を営む中小企業等の活性化を図るため、優遇税制が創設されます。

経営改善に関する指導及び助言を受けた法人が、その店舗の改修等に伴い、建物附属設備(ひとつ60万円以上)又は器具・備品(1台30万円以上)を取得して指定事業の用に供した場合について、30%の特別償却又は7%税額控除を認めるというものです。

〔適用期間〕

平成25年4月1日から平成27年3月31日までの2年間に設備等を取得し、事業の用に供した場合

 

◇◆期末の資本金1億円以下の中小法人◆◇

〔項目及び内容〕

中小法人の交際費課税の特例

企業の資本貯蓄の促進を図るため、中小法人の交際費課税の特例措置が拡充されます。

これまでの定額控除限度額600万円までの90%を損金算入できる制度が、800万円に引上げられ、さらに全額が損金算入できるようになります。

〔適用期間〕 

平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度

 

所得税

 

◇◆青色申告書を提出する個人事業者◆◇

〔項目及び内容〕

(1)生産等設備投資促進税制の創設

(2)所得拡大促進税制の創設((3)雇用促進税制との選択)

(3)雇用促進税制の拡充

(4)試験研究費の特別控除の拡充

(5)環境関連投資促進税制の拡充

(6)中小企業技術基盤強化税制の拡充

(7)中小企業等経営改善設備投資促進税制の創設

内容は法人税と同じです。ご確認ください。

〔適用期間〕

(1)、(4)から(6)平成26年分と平成27年分の所得税

(2)平成26年分から平成28年分の所得税

(3)平成25年分から平成26年分の所得税

(4)平成25年4月1日から平成27年3月31日までの期間に設備等を取得し、その事業の用に供した場合

 

◇◆課税所得が4,000万円超となる者◆◇

〔項目及び内容〕

最高税率の引き上げ

消費税増税などによる不公平感の抑制をはかるため、高額所得者層において所得税の最高税率が40%から45%へ引き上げられます。

〔適用期間〕

平成27年分以後の所得税

 

◇◆証券会社に非課税口座を開設し、その口座に非課税管理勘定を設定して上場株式等を取得する居住者等(20歳以上の者)◆◇

〔項目及び内容〕

日本版ISAの導入

日本版ISAとは個人投資家向けの税制優遇策で、少額投資の譲渡益や配当が非課税になる制度ですが、今回の改正により非課税枠が拡充されます。非課税期間はそれぞれ5年目の年末までで、投資枠の利用額は最大500万円(毎年100万円上限×5年間)になります。

なお、非課税枠内の取引のため、譲渡益や配当が課税されないのと同様に譲渡損もないものとみなされ、他の所得との損益通算の対象にはなりません。

〔適用期間〕

平成26年1月1日から平成35年12月31日

 

◇◆中小企業者に該当する内国法人の取締役等である個人でその内国法人の保証人であるもの◆◇

〔項目及び内容〕

私財提供の場合のみなし譲渡課税不課税の創設

取締役等である個人でその内国法人の保証人であるものが、「合理的な再生計画」に基づきその企業に対して私財を贈与した場合において、一定の要件を満たしているときは、一定の手続の下で、その贈与によるみなし譲渡課税が適用されないこととなります。

〔適用期間〕

平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に行われる贈与によるみなし譲渡課税

 

◇◆個人投資家◆◇

〔項目及び内容〕

金融所得課税の一体化

金融商品については、商品間の損益通算の範囲が制限されており、公社債等と上場株式等とで課税方式に差異があります。そこで、金融所得課税の一体化を進める観点から、公社債等と株式等に係る所得に対する課税方法が見直されます。

〔適用期間〕

平成28年1月1日以後の公社債等及び株式等に係る所得

 

◇◆相続または遺贈により非上場株式を取得したものとみなされる個人◆◇

〔項目及び内容〕

相続財産に係る株式をその発行した非上場会社に譲渡した場合のみなし配当課税の拡充

小規模会社の事業承継を円滑にするために、みなし配当課税の特例の適用対象者の範囲に、相続又は遺贈によりその非上場株式等を取得したものとみなされる個人が加えられます。

〔適用期間〕

平成27年1月1日以後に相続または遺贈により非上場株式を取得する場合

 

◇◆その年の医療及び歯科医業に係る収入金額が7,000万円を超える者◆◇

〔項目及び内容〕

社会保険診療報酬の所得計算の特例の見直し

これまでは、小規模医療機関の事務負担軽減を図るため、医業又は歯科医業を営む個人又は医療法人で年間の社会保険診療報酬が5,000万円以下であるときは、一定の割合を乗じた金額をその報酬の経費にできました。今回この制度が改正され、収入に多額の自由診療報酬の占める割合の高い個人又は医療機関で、その年の収入金額(自由診療報酬を含む)が7,000万円を超える者は、この特例の対象者の範囲から除かれます。

〔適用期間〕

平成26年分以後の所得税、平成27年分以後の個人住民税

 

◇◆住宅の取得又はリフォーム等を行い、平成26年1月1日から平成29年12月31日までの間に居住の用に供し、住宅借入金等の年末残高がある個人(その年の合計所得金額が3,000万円以下)◆◇

〔項目及び内容〕

住宅ローン減税

消費税等の増税により住宅取得等の際の税負担の増加が見込まれるため、住宅ローン減税の延長と控除額の引上げが行われます。

〔適用期間〕

平成26年1月1日から平成29年12月31日までの間に居住の用に供する場合

 

相続税・贈与税

 

◇◆適用対象者◆◇

被相続人の相続税の課税価格が基礎控除額を超える相続人等

〔項目及び内容〕

1)相続税の基礎控除額の見直し

富の再配分化のために、基礎控除額が現行の5,000万円+1,000万円×法定相続人数から、3,000万円+600万円×法定相続人数へ大幅に引き下げられます。これにより、相続税の納税義務者が増加することが予想されます。 

(2)税率構造の見直し

(1)と同じ目的から、最高税率が50%から55%へと引き上げられます。

(3)小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例の見直し

個人の土地所有者の使用状況等を考慮して、以下の1?4の優遇措置が適用されます。これらにより、相続税の課税価格が減額することが予想されます。

1.特定居住用宅地等の対象面積の拡充

特定居住用宅地等の対象面積が240?から330?へ拡大されます。

2.特定事業用等宅地等及び特定居住用宅地等の対象面積の併用

特定事業用等宅地等(上限400?)と特定居住用宅地等(上限330?)のそれぞれの対象となる土地等が複数ある場合、これまでの上限400?から、それぞれの上限面積(最大730?)まで適用が可能になります。

3.特定居住用宅地等に係る一定の二世帯住宅要件の追加

一棟の二世帯住宅に被相続人とその親族が各々独立して住まいを定めていた場合、これまでは小規模宅地等の特例の対象となりませんでしたが、改正により特例の適用対象となります。

4.特定居住用宅地等に係る死亡時の居住要件の緩和

被相続人が死亡時に老人ホームなどに入所していた場合などで、居住地が住所地以外の場合、これまでは小規模宅地等の特例の対象になりませんでしたが、改正により一定の場合には要件が緩和されます。

(4)非上場株式等の納税猶予制度

非上場会社の事業承継を考えている方の自社株の相続税の負担を軽くし、後継者への円滑な事業承継が行えるような措置が拡充されています。

(5)相続税の未成年者控除額及び障害者控除額の引上げ

相続税額から一定額を差し引く控除額の増額が行われます。

〔適用期間〕

(1)、(2)、(3)1,2、(4)、(5)・・・平成27年1月1日以降開始する相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税

(3)3,4・・・平成26年1月1日以降開始する相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税。

 

◇◆適用対象者◆◇

贈与により財産を取得する個人

〔項目及び内容〕

1.税率構造の見直し

富の再配分化のために、最高税率が50%から55%へと引き上げられます。これにより、納税額が増加することが予想されます。

〔適用期間〕

平成27年1月1日以降に贈与により取得する財産に係る贈与税。

 

◇◆適用対象者◆◇

直系尊属から教育資金に充てるために金銭等の拠出等を受けた受贈者(30歳未満の者に限る)

〔項目及び内容〕

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

若い世代への資産移転の一環として、30歳未満の受贈者が父母・祖父母等から教育資金のための金銭等の拠出等を受けた場合、その受贈者は1,500万円まで非課税となります。

〔適用期間〕

平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に金銭等を拠出する場合

 

◇◆適用対象者◆◇

贈与者が60歳以上、受贈者20歳以上

〔項目及び内容〕

相続精算課税制度の適用要件の見直し

若い世代への資産移転の一環として、贈与者の年齢制限が現行の65歳以上から60歳以上に引き下げられ、また受贈者の範囲が現行の20歳以上の推定相続人に20歳以上の孫が追加されます。

〔適用期間〕

平成27年1月1日以降に贈与により取得する財産に係る贈与税。

 

詳細は、25年税制改正 HP.pdfをご参照ください。

その他、上記以外の場合や詳細については当事務所、担当者へお気軽にご相談ください。

 

税理士法人 みらいコンサルティング 税法問題検討会

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